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大道 英樹; 萩原 幸; 荒木 邦夫
Makromol.Chem., 180(8), p.1923 - 1933, 1979/00
アイソタクチックポリプロピレンの製造時に副産物として生成するアタクチックポリプロピレン(APP)の有効利用をはかるため、放射線照射によるAPPの改質を試みた。今回の報告は照射APPの構造に及ぼす照射雰囲気の影響について述べたものである。APPに真空中でCo線を照射した場合に生成する気体成分は水素が主でありCからCの低級炭化水素も若干量生成していた。ラジカル生成物としては3級炭素から水素の脱離したアルキルラジカルのみが生成した。886cmの赤外吸収強度の増加からビニリデン基が生成していることを見出した。酸素中照射ではガス状生成物として一酸化炭素、炭酸ガス、水を生じ水素が減少することを見出した。塩素中で照射すると、ガス状生成物はほとんど塩化水素に限定された。また、炭素-塩素結合およびポリエニル基の生成が見られることから、APPの塩素化は塩化水素の脱離を伴うことがわかった。
三井 光; 細井 文雄; 後川 正裕*
J.Appl.Polym.Sci., 19(2), p.361 - 369, 1975/02
被引用回数:9数平均分子量(Mn)1500~114000の各種ポリエチレンに眞空中、30Cで線を照射し、ゲル分率を測定した。このゲル分率をCharlesby-Pinnerの式を用いて解析し、低密度ポリエチレンについて、次の関係式を得た。q=1.49 10 〔C=C〕.17 p=0.95 10 〔C=C〕.17 rg=1.38 10Mn 〔C=C〕.17 ここに、qおよびpは単位線量(Mrad)照射したときのモノマー単位あたりの橋かけおよび主鎖切断の確率、rgはゲル化線量(Mrad)、〔C=C〕は末端ビニル基およびビニリデン基の初期含量の合計(mol/g-PE)を表わす。これらの結果から、室温、眞空中におけるポリエチレンの線橋かけ反応において、末端ビニル基およびビニリデン基が重要な役割を果たすと結論した。
細井 文雄; 三井 光; 後川 正裕*; 鍵谷 勤*
高分子論文集, 31(2), p.94 - 99, 1974/02
分子量1500~114000の各種ポリエチレンに、真空中30Cで線を照射した場合の水素およびトランスビニレン基(t-V)の生成、ならびに末端ビニル基(Vi)およびビニリデン基(Vd)の消失について、つぎの速度式を得た。(mol/g-PE・hr)R=d[H]/dt=1.0310MnIR-V=d[t-V]/dt=1.0110MnIRvi=-d[Vi]/dt=2.5810Mn.I[Vi]Rvd=-d[vd]/dt=6.5710Mn.I[Vd]照射によるメチル基含量の変化は認められなかった。以上の結果に基づいて、水素およびt-vの生成、ならびにViおよびVdの消失反応の機構について検討した結果、ViおよびVdは、主鎖切断反応によって生成する主鎖高分子ラジカルが関与する反応によって消失すると考えることができる。